Classic Pro 『CEQ231FL』についてレビューします。
現在はSound Houseでの販売は終了してますが、安くて丈夫なので、中古でも人気のグラフィックイコライザーです。
そんなCEQ231FLを5年以上使っている僕が、特徴や使い方・メリット・デメリットを徹底的にレビューします。
Classic Pro CEQ231FL
目次
CEQ231FL:グラフィックイコライザー徹底レビュー
CEQ231FLは31バンドのグラフィックイコライザーです。
それぞれの周波数の上に赤色LEDが付いていて、各周波数の強弱がわかります。
ハウリングした時なんかは、ピカッと光るのでわかりやすいですね。
そんなCEQ231FLのスペックはこんな感じ。
現行品で人気のある『dbx 231s』とも比較してみました。
機能 | Classic ProCEQ231 | dbx 231s |
---|---|---|
バンド数 | 31 | 31 |
コネクター | TRSフォン、XLR(2番ホット) | TRSフォン、XLR(2番ホット) |
入力インピーダンス | バランス20kΩ、アンバランス10kΩ | バランス40kΩ、アンバランス20kΩ |
出力インピーダンス | バランス1360Ω、アンバランス680Ω | バランス100Ω、アンバランス50Ω |
最大入力レベル | +21dBuバランス/アンバランス | +21dBuバランス/アンバランス |
最大出力レベル | +19dBuバランス/アンバランス(~2kΩ以上)、+13.5dBmバランス/アンバランス(~600Ω) | >+21dBu バランス/アンバランス 2kΩ以上 |
周波数特性 | 10Hz~40kHz | <10Hz to >50kHz, +0.5/-3dB |
全高調波歪率+ノイズ | <0.005% | <0.003% |
S/N | 92dB | >95dB |
チャンネル間クロストーク | -85dB、20Hz~20kHz | <-90dB, 20Hz to 20kHz |
ローカット | 45Hz、12dB/オクターブ | 50Hz 12dB/オクターブ |
レンジ | +/-6dB、12dB切替 | +/-6dB、12dB切替 |
フィードバック検出LED | 各チャンネルに装備 | なし |
消費電力 | 19W | 15W |
サイズ | 3U | 3U |
重量 | 5.0kg | 2.81kg |
CEQ231FLの概要と特徴
CEQ231FLの特徴は以下の通り。
グラフィックイコライザーとしての機能は十分にありながら、当時の価格で¥19,800-と高コスパ商品でした。
CEQ231とCEQ231FLの違いは?
CEQ231FLにはFLが付いていないCEQ231という製品もあります。
このFLの有無は、フィードバック検出LEDがあるかないかです。
当時の価格で¥17,800-と、2,000円安く買うことができます。
音質の調整がメインで、フィードバック検出LEDがなくても大丈夫な方はこちらを買う方がお得ですね。
CEQ231FLの使い方と設定方法
CEQ231FLの使い方を解説します。
僕は基本的にハウリング対策として、このグラッフィックイコライザーを使用しています。
ですので、各周波数をカットする方向で使用しています。
CEQ231FLの基本的な接続方法
CEQ231FLの基本的な接続方法は、販売元のSound Houseのマニュアルにもある通り、ミキサーからパワーアンプまでの間に接続します。
僕の接続方法
僕は教会でこのCEQ231FLを使ってます。
具体的には、YAMAHA01v96のアウトプットにCEQ231FLを接続、その後にART MX225を通してパワーアンプ、スピーカーへと接続しています。
主には、スピーカーからのハウリング対策として、使っています。
PAシステムでのCEQ231FLの役割
一般的に、グラフフィックイコライザーは音質の調整に使われることが多いのですが、僕の場合は、ハウリング対策で使っています。
CEQ231FLであれば、ハウリングしている周波数のLEDが赤く光るので、そこを下げるって感じで使っています。
CEQ231FLを使ったハウリング対策の方法
CEQ231FLを使ったハウリング対策の手順を解説します。
PAの簡単な設定を行う
当日使うマイクやギターなど、事前に(簡単に)ミキサーで調整しておく
CEQ231FLのつまみを全てフラットにしておく
インプットゲインや周波数のフェーダーを0に合わせておきましょう
マイクやギターなど本番同様にステージの上に配置する
本番同様の配置でマイクとギターを置きます。もしピンマイクもあれば、ステージ上にテーブルとか置いて、置いときましょう。
ハウリングするまで全体の音量(マスターボリューム)を上げる
ハウリングし始めたらマスターボリュームをそのままにします。
CEQ231FLのLEDが強く光っている周波数のつまみを下げる
CEQ231FLのLEDが強く光っている周波数のフェーダーをハウリングが収まるまで少しずつ下げます。
つまみを下げすぎると不自然になるので極端な補正はしないように気を付けましょう。
4と5を繰り返す
ハウリングが収まったらマスターボリュームをあげて、CEQ231FLを調整して・・・。を繰り返します。
このようにすると、ハウリングマージン(ハウリングするまでのボリュームの余裕)を取ることができるので、必要に応じてボリュームをあげたりすることができます。
CEQ231FLのいいところ・メリット
CEQ231FLのいいところはこんな感じ。
ハウリングしている周波数がリアルタイムでわかる
やはり、これが1番のメリット。
ハウリング対策目的で導入している僕にとっては、ハウリングが見てわかるっていうのがありがたいです。
スマホとかにあるアナライザーを立ち上げなくても、CEQ231FLさえ見ておけばハウリングしている周波数が一発でわかる。そしてすぐに対策できるっていうのが1番のメリットですね。
±15dbでインプットゲインの調整ができる
インプットゲインの調整ができることもメリットです。
複数の機器を繋いでいるときに、どうしても機器同士の出力レベルが異なる場合があります。
インプットゲインを調整することで機器同士の信号レベルを最適化することができるので、よりバランスの取れた音響空間を作ることができます。
また、クリッピング(過入力)を防ぐこともできるので、PAシステムを安定的に行うことができます。
CEQ231FLでは、±15dbまでと一般的なグラフィックイコライザーよりも3db幅の広い設定ができます。
バイパススイッチやHPF(ハイパスフィルター)がある
CEQ231FLには、バイパスやHPF(ハイパスフィルター)が付いています。
バイパスのメリット
バイパスがあることで、イコライザーの有無を比較できます。また、PAシステムで何かトラブルが起こった時にCEQ231FLが原因なのかをチェックすることができます。
HPFのメリット
CEQ231FLでは、HPFを使用すると45Hz以下の周波数をカットできます。
不要な低周波帯域をまとめてカットしておくと、低周波ノイズやステージの振動音を簡単に除去できます。
全体的にクリーンな音質になるだけでなく、スピーカーの負担も減らせるのでスピーカーが壊れにくくなります。
CEQ231FLの気になるところ・デメリット
逆にCEQ231FLの気になるところはこんな感じ。
CEQ231FLは約5kgと重たい
CEQ231FLは約5kgと少し重たいです。
競合製品となるdbxやbheringerのグライコと比べても2倍近くあります。
ラックに組み込む時に2人以上でやらないと一苦労します。
フェーダーが軽い・間隔が狭い
CEQ231FLのレビューにも見られますが、フェーダーが少し軽いと感じます。
もう少し、ずっしりとしたフェーダーの方が微調整もしやすく便利かなって感じです。
フェーダー間隔も狭いので気をつけないと隣のフェーダーが動いてしまいます。
そんなにちょこちょこっと触るものではないのですが、気をつけて触らないとなぁと思います。
前面パネルのバリ取りが甘い
音質には関係ないですが、前面のパネルの角とか触ると爪が引っかかるような感じです。
バリ取りというか、角が尖っているので気をつけて触りましょう・・・。
僕は基本的に手袋をして触っています。
CEQ231FLを5年間使ってみた感想
実際に僕が教会でCEQ231FLを使ってみた感想を共有したいと思います。
CEQ231FLの音質はいい
音質は非常にいいです。
入力レベルの調整をしっかり合わせるとノイズも少なく、全体的にクリアな音質です。
周波数ごとのフェーダー1つ1つの効きもいいし、HPFを使って過度な低周波帯をまとめてカットできるのもいいです。
CEQ231FLはハウリング対策が簡単にできる
CEQ231FLは何よりもパネルについたLEDが便利です。
このLEDさえ見れば何がハウリングしているのかが一目瞭然です。
事前のハウリング対策も、突発的なハウリングもすぐに対応できるのがいいですね。
CEQ231FLの耐久性
CEQ231FLですが、数年使っていない期間があったものの、全然壊れていませんでした。
いつ買ったのかが不明で、5年くらい使っていますが、不具合やトラブルもなく耐久性もあると言えます。
CEQ231FLの競合製品
CEQ231FLは販売終了しています。(ヤフオクとかの中古はあります)
そこで、CEQ231FLと同様の機能を持つ競合製品を紹介したいと思います。
dbx / 231s
dbx 231sは、31バンドのステレオグラフィックイコライザーで、定番製品です。
各バンドの±12dBブースト/カット機能により、精密な音質調整が可能です。
主な特徴は以下の通り
BEHRINGER ( ベリンガー ) / FBQ1502HD
BEHRINGER FBQ1502HDは、15バンドのステレオグラフィックイコライザーで、CEQ231FLと同様にフィードバック検出システムを搭載しています。
これにより、フィードバックポイントを迅速に特定し、除去することができます。
また、超低ノイズのオペアンプを使用しています。
主な特徴は以下の通り
CEQ231FLのレビュー:まとめ
CEQ231FLは、2チャンネル31バンドのグラフィックイコライザーで、ライブサウンドやスタジオ用途に広く使用されています。
このイコライザーは、詳細な周波数調整が可能であり、特にハウリング対策に効果的です。
CEQ231FLは当時の価格で19,800円と高コスパすぎるグラフィックイコライザーだと思います。
CEQ231FLを5年以上使ってみたレビューをまとめます。
CEQ231FLを5年以上使ってみて思うこと
CEQ231FLの特徴をまとめます。
やっぱり、31バンドのグライコは細かい調整ができて便利です。
僕的には、音質の調整というよりはハウリング対策に特化しているグライコだと思います。
ハウリングを聞いても、『どの周波数だろう・・・?』と手探りで調整するのではなく、LEDが光ったポイントを下げればいいというフィードバック検知機能は優れものです。
事前のハウリング対策から突発的なハウリング対策まで完璧にこなすことができます。
5年以上(使ってない期間も含めればそれ以上)経過していますが、目立ったトラブルもなく大活躍してくれています。
CEQ231FLの総合評価
CEQ231FLの総合評価は以下の通り。
Classic Pro CEQ231FL
重たい・バリ取りが甘いみたいのような音質に関係のないデメリットがありますが、ラックに組み込んでしまえば気になりません。
フェーダーの間隔が狭く・軽いので気をつけて調整をする必要がありますが、ハウリング対策の機材としては優秀なグライコです。
周波数ごとの調整もよく効きますので、音質調整の機材としても優秀だと思います。
CEQ231FLが気になる方へのアドバイス
CEQ231FLは販売終了しているので中古で入手するしかありません。
一方で同様の機能を持つ競合製品は以下の2つです。
dbx 231s
Behringer FBQ1502HD
グラフィックイコライザーを探しているなら上記の2つがアフターケアもしっかりしたメーカーなのでおすすめです。
ハウリング対策ならフィードバックサプレッサーもおすすめ
一方で、ハウリング対策するならフィードバックサプレッサーもおすすめです。
フィードバックサプレッサーとは、フィードバック(ハウリング)した周波数を勝手に除去してくれる便利な音響機器です。
気になる方は以下の記事が参考になると思いますので、ぜひご覧ください!
CEQ231FLの中古はこちらから探せます。